商品開発

強いブランディングで得られる3つのメリット~「勝てる戦略」とは

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ビジネスにおいて大切なのは、大企業・中小企業に関わらずブランディング戦略のもと、「カテゴリーキラー商品」を作ることです。

カテゴリーキラー商品となったものを、どのように売るかという「売り方」だけにとらわれず、「売る商品・サービスそのものを強くすること」に意識をおくことが重要です。

会社が成長・発展するためには、競合他社を圧倒するような自社独自のカテゴリーキラーとなる商品やサービスを生み出し、顧客にしっかりと記憶をされるブランディング戦略が必須です。

そして、そのカテゴリーキラー商品が「カテゴリーキラー製品群」として数が増えていくと、カテゴリーの中でも「ブランド」として認識されるようになってきます。

そんなブランディング戦略に求められる、「勝てる戦略」についてご説明します。

ブランディング メリット 強い

ブランドを作らなかった企業は・・・

あるカテゴリーにおいて、先駆者として売上げを伸ばしていた中小企業の業務用資材メーカー「C社」のお話をしましょう。

C社は、いち早く目を付けていた市場での仕入れに「強み」を持っていたことで、C社の取り扱うとある資材が特定のターゲット層から支持されていました。

しかし、C社の経営者は、商品をカテゴリーキラー化することや、カテゴリーブランド化することに尽力しませんでした。
まったく違うターゲット層に、その商品の違う機能を訴求したり、別の資材に目を付けて、これまで購入していただいていた顧客に販売したりしていました。

業務用資材とは、もともと一般的ではない特別な資材です。
既存顧客の中でも、ある一定者数には喜ばれて購入してもらえたものですが、本来の商品の使い方とは違う目的で購入されるものでした。

その結果、思った以上に売上が伸びなかったのです。

ブランディング 中小企業 市場

そんな中、この市場の成長性に気づき、新規参入してきた競合他社が出てきました。
競合他社は、品質や機能ではC社よりやや劣るものの、商品を魅力的に表現することで注目を集めていました。

さらに、積極的なプロモーション投資によってその市場を奪い始め、とうとう売上で逆転してしまい、その市場におけるカテゴリーブランドを確立してしまったのです。
その分野で先駆者であったC社は、売上を一気に落とし、苦境にあえぐ結果となりました。

C社は今でもその市場において、なんとか盛り返そうとプロモーションに力を入れています。
しかし「時すでに遅し」であり、一度作られた競合他社の「カテゴリーブランド」は簡単にはなかなか崩せないでいます。

新しい競合に油断した愚かな行動

C社のことは、売上が好調な時期から知っていたので、別の資材に手を出そうとした時に「闇雲によろず屋的な商品展開を行わないほうがよい」と進言しました。

まずは1つの商品を「カテゴリーキラー」化して、揺るぎない鉄壁のブランドを作るべきである。
そして「そのカテゴリーではその商品が一番」というブランドイメージを早く作る。

ということを、何度も伝えました。

ブランディング 競合他社

しかし、新しい競合他社に対して油断していたC社は、カテゴリーキラーを作ることを真摯に受け止めていませんでした。
その結果、競合他社に市場を奪われてしまったのです。
そしてその競合企業は、その後上場を果たしてしまいました。

数年後、そのC社の幹部社員が「今さらですが、他の商品に手を出す前に、カテゴリーキラーづくりに力を入れておけばよかったです」と話していましたが、すべて後の祭りです。

強いブランドづくりで得られる3つのメリット

C社のように、それまではそこそこ売上が出ていた小規模な会社でも、強い競合他社が現れて経営が悪化してしまったケースは多くあります。

強い競合他社が現れた場合、その市場においてのプロモーション投資はそこそこに抑えておきましょう。
そして、キャッシュに余力がある段階で、競合他社とガチンコ勝負をせずに、自社が市場やお客さんのどんなことに役立っているのかという「ポジショニング」を見直すことが必要です。

そして新たな柱となるような商品やサービスである「カテゴリーキラー」を立てていき、それを群として「カテゴリーブランド化」していくことがポイントです。

特定のカテゴリーで強いブランドとして認識されてくるようになると、以下の3つのメリットが得られます。

  • 指名買いが増え、価格競争に巻き込まれなくなる
  • 会社に長期的な売上げをもたらす
  • ブランドに対して、従業員の意識の統一が図りやすくなる

商品だけではなく、事業やサービスについてもよく考え、会社が行うサービス自体をブラッシュアップして、他にはない唯一無二の製品として「強いブランド」と認識させることが大切です。

競合他社が出てきた時こそブランディング戦略

競合他社が出てくると、自社の売上は低迷し始めます。
しかしそんな時こそ、目先の売り方に翻弄されず、カテゴリーキラーづくりに尽力してください。

もちろん社長は、経営の転換を急がなければなりません。
この時こそ、慎重に今後の長期的な戦略を考えていくベストなタイミングです。

当社ご相談いただく企業の中にも、本当に危機的な状況からV字回復を遂げた企業が、何社、もあります。

ブランディング V字回復

どの企業も、真剣に自社の新たな「ポジショニング」を考え抜き、新たなるカテゴリーキラー商品やサービスを生み出して乗り越えました。

間違っても、ここで目先のことに気を取られてしまい、慌ててプロモーションのみに注力してはいけません。
売れ行きが下がった時こそ、商品が売れなくなった課題の本質を見過ごさないようにすることが重要です。

ビジネスにとって「戦略」とは“無駄な戦いをしないこと”

今の事業や商品に飽きて、まったく新しい、今までとは違ったことをやりたがるのは、経営者の一つの性(サガ)でもあります。
その性を全否定するわけではないのですが、新規事業を開拓するにあたって目指すビジョンに向かうための戦略はあるのかは、とても大切です。

ブランディング 戦略 投資

もしあなたの企業の売上がアップしているとしたら、そんな時こそ無駄に経営資源を浪費せずに、商品のカテゴリーブランド化に向けて、経営資源を使って投資しましょう。

そのためには、「強み」が活きていない領域の「よろず屋」的な発想は捨てて、どんなブランディング戦略によってビジネスで突き抜けるかを真剣に考えてほしいと思います。

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