商品開発

ブランディングの成功事例:自社の強みを生かした商品・サービス

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

ブランディング戦略によって自社の強みを生かし、ヒット商品(カテゴリーキラー)を3つ以上生み出すことで「カテゴリーブランド」を確立することは、企業経営で成功するために必要です。

日本国内を見渡しても、優良企業として名高い企業はカテゴリーブランドを確立しています。
では、どうすればカテゴリーブランドを確立し、ブランディングを成功させることができるのでしょうか?

ブランディングに成功した企業の事例から、その成功方法を探ってみましょう。

ブランディング 成功 強み

ブランディング成功事例①:桃屋の『ごはんですよ!』

のりの佃煮『ごはんですよ!』で知られる桃屋は、カテゴリーブランドを確立することでブランディングに成功した企業です。

桃屋は『ごはんですよ!』をはじめとして、多くの“ご飯のおとも”商品を生み出し、カテゴリーブランドを作り上げてきました。

近年では、桃屋といえば『辛そうで辛くない少し辛いラー油』が大ヒット商品となりました。
いわゆる「ラー油ブーム」が起こるキッカケともなった商品ですが、桃屋にとっては“ご飯のおとも”というポジショニングにおける、カテゴリーキラーの一つです。

桃屋といえば“ご飯のおとも”

桃屋は『ごはんですよ!』だけでも、すでに大きな企業としての認知を得ていましたが、『辛そうで辛くない少し辛いラー油』によって、さらに「桃屋=“ご飯のおともを作っている会社」というイメージを向上させることに成功しました。

カテゴリーブランドとは、自社の強みを活かして連続的な開発を行うことにより、そのカテゴリーにおいて強いブランドを作り上げている商品郡・サービス群、ひいてはその事業のことを指します。

桃屋も、それまでとは全く違うカテゴリーでヒット商品を生み出すのではなく、“ご飯のおとも”というカテゴリーにおいて連続的に大ヒット商品を世に送り出したことで、カテゴリーブランドを確立。
見事、ブランディングに成功したのでした。

ブランディングの成功事例②:ダイソンの掃除機『サイクロン』

ダイソン(dyson)といえばエアコン、空気清浄機といったヒット商品を生み出していますが、なかでも有名なのは『サイクロン式掃除機』でしょう。

これまでとは全く違った掃除機を作りだしたダイソンは、まず掃除機のヒットによってカテゴリーキラーが出来上がり、その後は自社の強みを活かして、桃屋と同様にカテゴリーブランドを確立しています。

そのキャッチコピーは、「吸引力の変わらないただ一つの掃除機」。まさに掃除機業界の中で唯一のポジションを獲得したわけですね。

ダイソンは、その後も様々な「掃除機」を開発しています。
スティックタイプ、ハンディータイプ、ロボットタイプなど、どの掃除機もサイクロンの技術を用いて、カテゴリーブランドの確立に成功したのです。

ブランディング 成功 ダイソン

ダイソンといえば“吸引力のすごさ”

このようにカテゴリーブランドが確立すれば、多くの消費者はダイソン=「吸引力のすごい掃除機」と認識します。
この「吸引力のすごい掃除機」を生み出した技術力を活かし、ダイソンドライヤーや扇風機などを開発。特に、羽のない扇風機『エアマルチプライア-』も大ヒット商品となりました。

一見「まったく別のジャンルに手を出している」と思うかもしれませんが、サイクロン式掃除機を作った技術力が活かされています。
実際、ダイソンが扇風機やドライヤーを販売すると「あのダイソンだから」ということで顧客も注目しました。

つまりダイソン掃除機の“吸引力のすごさ”は、ダイソンの“技術力のすごさ”という認識につながっているわけです。
こうしてカテゴリーブランドが確立されると、自社の強みを更にアピールした商品戦略が可能になります。

ブランディング成功事例③:八海山の「麹技術」

株式会社八海山もまた、カテゴリーブランドの確立について参考になる企業です。
もともと『八海山』は日本酒ブランドの一つでしたが、その八海山のお酒の製造を通じて得た自社の強みを活かして、カテゴリーブランドの確立に成功しています。

それは「麹だけでつくったあまさけ」です。

八海山という日本酒をつくるための麹の技術を活かして、新たな商品の開発に取り組みました。
そのほかにも麹を活かした食品や、お酒づくりから居酒屋経営にも発展したことで、お酒あるいは麹というカテゴリーにおけるカテゴリーブランドを作り上げていったのです。

ブランディング成功事例④伊那食品の『寒天』

伊那食品工業をご存じでしょうか?
『かんてんパパ』と呼ばれる食品ブランドで有名な会社です。

その伊那食品工業は、名前のとおり食品メーカーですが、実は寒天づくりを活かして化粧品や医薬品事業も展開しています。

その結果、寒天の国内市場のシェアは約80%。世界的に見ても15%のシェアを誇るブランドとして知られているのです。

ブランディング 成功事例 寒天

伊那食品といえば“寒天の研究”

伊那食品工業は創業以来、半世紀にわたって寒天を研究し続けてきました。

その寒天という一つの素材への追求は、社員の1割を寒天の研究・開発に充てていたことからもわかります。
その結果、寒天を食べ物として活用するだけでなく、寒天を用いた医薬品や化粧品の開発に成功したといえるでしょう。

現在、伊那食品工業といえば食品会社の一つではなく、「寒天の会社」として知名度を得ています。
まさに、寒天カテゴリーにおける「カテゴリーブランド」を確立したのです。

カテゴリーブランドの確立が成功につながる

ここまで、ブランディングに成功した企業事例をご紹介してきました。
その内容を見ると、いかにカテゴリーブランドの確立が、企業経営を成功させるために必要なのかがわかるのではないでしょうか。

今回ご紹介した企業に共通しているのは、「自社の強みを生かした商品」の開発に力を入れて成功した点です。
その結果、カテゴリーブランドの確立に成功し、業界の中で「自分たちだけ」のポジションの確立に成功したのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。