経営は、“相手あってこそ”のものです。
いくら大きなビジョンを掲げたとしても、社員だけではなく、取引先やビジネスパートナーが理解していなければ意味がありません。
つまり、「どうように伝えるのか」がとても大切です。
目次
ビジョンは社員に伝わっているのか?
社長や経営者として会社を経営することになれば、数に違いはあれど、従業員を抱えることになります。
その従業員こそ、自分の持っているビジョンを誰よりも共有してもらわなければならない存在です。
そこで経営者として、社員がどんな想いをもっているのか、その声に耳を傾けてみるとよいでしょう。
経営者のビジョンを聞いて社員がどのようなことを思うかは、経営者の熱意だけではなくビジョン次第、ともいえます。
どれだけ熱意を込めても肝心のビジョンそのものに具体性がなければ、社員は会社の方向性を明確にイメージできません。
なかには
「どうせ給料は変わらないでしょう」
「そんな目標は無理だ」
と思われるようでは意味がありませんし、実際に仕事へのモチベーションが低下する社員もいるのではないでしょうか。
経営者と社員の立場・考え方が異なる点は仕方ない部分もありますが、少なくともモチベーションが低下した社員が多いと、ビジョンを達成することは難しくなります。
経営者は「言葉」に注意すべき
経営者として社員のことを考えていたとしても、その想いを理解してもらうために、「言葉」と「伝え方」はとても大切です。
どんなビジョンを掲げたとしても、伝え方が間違っていると、社員のモチベーションを上げるものにはなりません。
つまり、ビジョンを設定する際には、社員も一緒に頑張ろうと思えるものでなければ意味がないのです。
言葉はとてもデリケートなもの。
どんなビジョンも伝え方次第で、相手にはまったく違った形で伝わってしまう可能性もあります。
それだけに、言葉の使い方には気を付けなければならないのです。
取引先に自社のビジョンをどう伝えるか
社員だけではなく、取引先に対してビジョンを伝える場合も、注意が必要です。
長く取引をしている企業であれば、自社のこともよく理解してくれていることでしょう。
しかし新しく取引を始める企業に対しては、やはりビジョンの伝え方に気を付けなければなりません。
初めてテーブルについて話をする取引先に、「我が社は売上100億円を目指しています」と数字だけ伝えても、どんな企業なのか相手はイメージしにくいでしょう。
一方、「多くの人の役に立ちたい」というビジョンのもと、具体的な考えを伝えていくと、その想いに共感してくれる企業も出てくるはずです。
それだけ、伝え方によって相手の印象は大きく変わります。
社長や経営者としては数値目標も大切ですが、伝えられる側としては数値だけでは、具体的なイメージを思い浮かべづらいものです。
相手に共感してもらえるような、具体的なビジョンを伝えてこそ、結果的に100億円の売上を達成できる企業になれるのではないでしょうか。
強いビジョンをつくる3つの確認事項
自分は相手に、強いビジョンを伝えられているかどうか。
その答えを探ることができる3つのチェックポイントがあります。
これらのチェックポイントから自社の環境をチェックすれば、ビジョンがどれだけ「伝わっているのか」が見えてきます。
本気でそのビジョンを目指しているのか?
「あなたの会社は、本気でそのビジョンを目指していますか?」
こう聞かれたら、経営者であればもちろん「Yes」と答えるでしょう。
しかし、社員に同じ質問を投げかけた時、果たして同じように「もちろん」「当たり前です」と応えてくれる社員がどれだけいるのでしょうか。
そう答えてくれる社員の割合によって「どれだけ自分のビジョンが伝わっているのか」が見えてきます。
第3者が聞いてもイメージできるビジョンか?
自社のビジョンを聞かされた相手が、そのビジョンを明確にイメージできたかどうか、確認してみるとよいでしょう。
そのビジョンを言葉としては理解していても、明確にイメージできるかどうかは別問題です。
そこで、社員にビジョンを明確にイメージできているか、聞いてみてください。
自分の思った通りであれば伝わっていますが、まったく違うことをイメージされているケースもあります。
これでは「ビジョンを共有している」とは言えません。
社員だけでなく多くの人が共感し、応援したくなるビジョンか?
ビジョンを聞かされた時、「応援したい」「手伝いたい」と思ってくれるかどうかもまた、重要なことです。
社員であれば、どんなビジョンを聞いても手伝ってくれるかもしれませんが、ワクワクするようなビジョンでなければ、モチベーションに大きく影響します。
それは社員に対してだけでなく、取引先に対しても同じです。
取引先が共感し、応援したくなるようなビジョンが相手に伝わらなければ、そのビジョンが確かなものかどうかは怪しいところです。
相手に「応援したい」と思ってもらえないということは、自分たちの掲げたビジョンをしっかりと理解してもらっていないことになるのです。
まとめ
ビジョンは掲げるだけではなく、理解されてこそ意味があります。
ビジョンを理解してもらうためには、伝え方が大切です。
時には、相手が本当にビジョンを理解してくれているのか、確認してみるのもよいでしょう。
社員たちにビジョンを理解してもらい、組織として意思を共有できれば目標達成は決して難しいことではありません。
さらに取引先ともビジョンを共有できると、自社の売上アップにもつながるはずです。