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中小企業を大企業へと成長させる「カテゴリーブランド」とは?

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ビジネスで重要なのは、商品をどのように売るかという「売り方」だけにとらわれず、「売る商品・サービスそのものを強くすること」に意識を置くこと。

目先の販売のことばかりに気を取られず、競合他社を圧倒するような、自社独自のカテゴリーキラーとなる商品を生み出す必要があります。

そして、1つカテゴリーキラーを生み出したら、次はそのカテゴリーキラーを「カテゴリーブランド」へ成長させる、ブランディング戦略が求められます。

そこでカテゴリーキラーをカテゴリーブランドへと成長させるブランディング戦略についてご説明します。

中小企業 大企業 カテゴリーブランド

カテゴリーブランドとは?

カテゴリーブランドの定義は、

「一定の商品群・品揃えをもち、ひとつのカテゴリーとして認識されるブランド」

一流企業は、カテゴリーブランドとして認識されているものを必ず持っています。

現時点では、まだカテゴリーキラーとはいえなくても、メインとなる商品やサービスが既にある場合、商品やサービスのレベルをさらに高めてカテゴリーキラーにしていきます。
すると、企業はさらに力強く成長していくでしょう。

あるいは、過去に強い商品・サービスがあったものの、今は少し弱くなっているような場合、早急にカテゴリーキラー化していく必要があります。

どんな業種や事業形態であっても、ブランディングを見越して、カテゴリーキラーを作り上げるプロセスをしっかり実行していくと、必ず自社独自のカテゴリーキラーを生み出すことができます。

カテゴリーキラーを生み出したら、その次にカテゴリーキラーを中心として派生する商品・サービスを連続的に生み出していきます。
これを繰り返していくと、カテゴリーキラーは「カテゴリーブランド」へと成長していくのです。

誰もが知っているカテゴリーブランド

みんなが知っているようなお菓子など、私たちの身近なところにも、必ずカテゴリーキラーがあります。
そして、その姉妹品として味やパッケージを変化させている商品があります。

中小企業 大企業 カテゴリーキラー

たとえば、世界中で愛されているネスレのチョコレート菓子「キットカット」も、スタンダードの味に加えて「濃い抹茶味」「大人の甘さ」「毎日の贅沢」など、さまざまな味のバリエーションとサイズが販売されています。

また伊藤園の「お~い お茶」は、国民的な飲料として広い世代から親しまれていますが、こちらもシリーズ化され、複数の商品が展開されていますよね。
「お~い お茶・濃い茶」「お~い お茶・玉露」「お~い お茶・絶品ほうじ茶」「お~い お茶・日本の健康玄米茶」等、カテゴリーキラーが複数合わさって群となり、カテゴリーブランドとして展開されています。

もちろんネスレや伊藤園は大企業です。
しかし、中小企業でも強いカテゴリーキラーを生み出し、カテゴリーブランドとして展開させている会社もあることをご存じですか?

LEDライト誕生を助けたS社

ここで、カテゴリーキラーをカテゴリーブランドに成長させた企業をご紹介します。

創業40年以上の歴史を持つ特殊機械メーカーのS社は、社員数100名規模の会社です。

S社は、これまでになかった画期的な撹拌技術で、同社を代表するカテゴリーキラーを生み出しました。
S社の画期的な撹拌(かくはん)技術のおかげで、これまでうまく混ぜることができなかった、様々な業界の様々な素材を混ぜられるようになり、あらゆる業界に革新をもたらしています。

その一例として、LEDライトの開発があります。

中小企業 大企業 LED

今でこそLEDライトは一般に普及していますが、開発当初は「光を生み出す蛍光体を、5時間かかっても均一に混ぜることができない」という問題がありました。
蛍光体がうまく混ざらなければ、LEDライトは商品にならないので、LED開発者は頭をかかえる日々を送っていました。

ところが、そのLEDライトの開発者が、S社のカテゴリーキラー商品である撹拌機の存在を知り、使ってみたところ、わずか3、4分で均一にうまく混ぜることができたというのです。
そして一気に開発は進み、LEDライトが誕生しました。
S社のカテゴリーキラーは、LEDライト開発の救世主になったのです。

カテゴリーキラーからカテゴリーブランドへ

今ではS社のカテゴリーキラーである攪拌技術は、あらゆる業種業界に適用させるために、回転数やサイズ、オプション品にとどまらず、姉妹品などが多く提供されています。

その後、S社のカテゴリーキラーは特許を取得しましたが、特許の期限が切れるといくつかの会社が類似品を出し、競合品は増えてきました。
しかし、この分野で先行していたS社は、カテゴリーキラーについて多くのノウハウや強みを積み上げていたため、同業界ではトップブランドとして現在も信頼を獲得し続けています。 

中小企業 大企業 成長

そしてS社は、日本のみならず世界各国で展開しており、同分野ではS社のカテゴリーキラー商品を知らない人はいないほどに成長しています。
まさにS社のカテゴリーキラー商品は、カテゴリーブランドとして世界中で認識されているのです。

ブランディング戦略への強い想い

中小企業は、まずはなんとしてもカテゴリーキラーを生み出し、そしてそれを軸に品揃えを充実させて、カテゴリーブランドに育てていく必要があります。

「カテゴリーキラーを生み出すのには時間がかかる」
「ブランディング戦略は、自社の分野では難しい」

といって諦めないで下さい。

強い想いを持って、コツコツと地道なブランディング戦略を積み重ね、また時間をかけて生み出されたカテゴリーキラーは、それだけの恩恵をもたらしてくれるでしょう。
さらに、時間をかけて生み出したカテゴリーキラーだからこそ、競合他社が簡単に真似できない、力強いカテゴリーブランドに成長させていくことが可能になるのです。

ブランディング戦略で中小企業から大企業へ成長

どんな大企業も、創業時はどこも中小企業です。
今では売上数千億円の売上を誇る大企業である伊藤園も、創業当時は中小企業の一つでした。

伊藤園の創業者は、20代で起業して、缶入りのお茶の開発に取り組みました。

創業当時は、缶入のお茶を飲むという風習は全くなく、一般的にお茶はまだ急須で飲むものでした。
缶ジュースはたくさん普及していましたが、缶入りのお茶はなかった時代です。

しかし、創業者は「缶入りのお茶が受け入れられる時代が必ずくる」と信じ、強い想いを持って缶入りのお茶の開発をしていました。
とはいえ、なかなか納得できる缶入りのお茶はできず、開発に9年もの時間とお金を費やしたそうです。

中小企業 大企業 商品開発

中小企業が、9年もの時間をかけて開発投資をし続けるということは、とても大変なことです。
しかし伊藤園の創業者は、自分が信じる未来に向かって、想いが形になるまで諦めませんでした。

強い想いがカテゴリーブランドを確立させる

製造業であれサービス業であれ、大企業の創業者は、多くの苦難を乗り越えて、企業ブランドを確立させています。
そんなブランディング戦略のなかで生み出されたカテゴリーキラーを中心として、さらに品揃えやサービスを充実させて、カテゴリーブランドとして成長させています。

カテゴリーブランドを確立するチャンスは、すべての会社にあります。
もちろん、あなたの会社にもチャンスがあるのです。
強い想いを持ってカテゴリーキラーを生み出し、さらにカテゴリーブランドへと成長させるブランディング戦略を始めてみてはいかがでしょうか?

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