中小企業の経営者・経営幹部の人たちは、ビジネスにおいて日々さまざまな課題に取り組まれていると思います。
企業が一時しのぎではなく、長期的に成長していくためには、どのような対策をとっていけばよいのでしょうか?
目次
多くの中小企業が抱えている悩みとは?
中小企業には、特殊な商品やサービスを扱っている会社が多いですよね。
そのような中小企業の経営者は、以下のような悩みを抱えています。
- 価格競争から抜け出すための考え方や、具体戦略を知りたい
- 年々売上が下降してしまった。次の新しい事業の柱をつくりたい
- 新商品・新事業が売れなくて悩んでいる。もっと躍進させたい
- 競争が激化している業界の中で、どうにかして自社の商品・サービスの差別化を図りたい
- 競合他社を圧倒するような強い商品サービス・事業を生み出したい
- 受託事業を脱却して、売れる自社商品・サービスを確立していきたい
- 業界内で突き抜けるブランドをつくりたい
- 今後さらに戦略に強い組織になりたい
これらは、いずれも、売上を上げていくための重要な課題です。
では、どのようにこれらの課題を乗り越えていくのがよいのでしょうか?
「売り方」だけを変えても一時的な対策にしかならない
巷には、売上を上げるための手法としてのWEBマーケティングや、販売促進、広告宣伝、PR、またセールス手法という戦術レベルのノウハウがあふれています。
しかし、これらはいずれも「売り方」をどうするかという領域でしかありません。
目先の「売り方」だけを変えても、企業の長期的な成長には繋がらないのです。
なぜなら「売り方」は見えやすい手法なので、どの競合他社も簡単に真似できてしまいます。
「売り方」に偏った施策は、どうしても短期的、一時的な改善に止まってしまいます。
そのような小手先の施策に目を奪われて、時間とお金を無駄にしている会社がたくさんあるということも悲しい事実です。
ブランディング戦略とは?
ビジネスで成果を出していくためには「売り方」だけではなく、ブランディング戦略として自社の商品・サービス・事業そのものを強くして、「カテゴリーキラー」を生み出すことが重要になります。
自社のブランドを確立せず、やみくもに商品開発をしても売れ行きは伸びません。
また、カテゴリーキラー商品を生み出さなければ、企業の成長は見込めないのです。
成果を上げていく事業は、常にカテゴリーキラーを生み出しています。
お客様のニーズは、時代の流れとともに日々変化していくもの。
時代や変化に対して柔軟に対応しながら、常にカテゴリーキラー商品・サービスを主軸にしたブランディング戦略を意識し続けることが、事業成功の鍵になります。
カテゴリーキラーを生み出すことの重要性
これまで飲食店さんから「売上不振で困っている」という相談を受けることが、数多くありました。
飲食店の集客でも、ただチラシや広告を打つなどの目先の「売り方」による手法では、一次的な集客にしかなりません。
たとえば、町中で無料のビール券を配るという手法があったとします。
他店に先駆けて無料ビール券を配布すれば、最初は驚かれますし、それなりのインパクトと効果は期待できるでしょう。
しかし、多くのお店がビール券を配布するようになれば、あまり効果が期待できないものになってしまいます。
このように、目先の手法としての「売り方」は、どうしても他社に真似されてしまうでしょう。
すると、また次の新たな「売り方」を考えなくてはならなくなり、肝心のお店のブランドを確立することや、カテゴリーキラーを生み出すことに意識が行かなくなってしまいます。
飲食店の売上を伸ばすためには、「売り方」の競争に頭を悩ませるのではなく、店舗独自のブランディングが重要です。
自社独自のカテゴリーキラーを生み出し、ブランディングに成功した飲食店は、驚くほど業績を回復して、経営も軌道に乗っています。
そしてその後も、売り方の改善をするよりも、カテゴリーキラーを生み出すことに焦点を置くことを重要視しています。
結果、集客のための予算はほとんど使わず、さらなるブランディング戦略に資金をあてることができるのです。
雑誌の付録商法
よくファッション雑誌などで、有名ブランドのちょっとしたバッグやポーチのような付録をつけて売る、という手法をよく見かけますよね。
これも「売り方」のひとつといえます。
確かに、最初に付録として有名ブランドのバッグやポーチをつけて販売する雑誌が登場した時は、とてもインパクトがあり好評でした。
しかし、どの雑誌もその手法を真似するようになったので、付録のおまけとしての驚きや新鮮さ、おまけのお得感などは薄れていきます。
逆に、これまで目をつけていなかった雑誌の内容や、商品の本音レビューなどが詳しく載っている雑誌は、付録がなくてもかなりの売上を出しています。
このように、「売り方」のみに目を奪われ過ぎていると、雑誌としてのコンセプトや記事内容など、大切なことを見失ってしまうことがあります。
雑誌として「その本でしか得られない情報をお客様にお届けする」という価値や、充実した内容に徹底的にこだわることでカテゴリーキラーを生み出し、雑誌としてのブランドを高めていく必要があります。
「付録としてブランドのちょっとしたバッグやポーチをつけることのみが主軸になってしまい、雑誌としての記事内容は予算が減ってしまった」
なんてことが起こると、本来の雑誌としての価値は下がる一方です。
これでは、事業の流れ自体が負のスパイラルに陥ってしまう可能性があります。
企業が長期的な成長を目指すための課題とは?
商品・サービスそのものに本質的な課題がある場合は、速やかに問題点を改善していくことが重要です。
その際、しっかりとしたブランディング戦略を考えていかない限り、長期的に業績を上げていくことは難しいでしょう。
そこで、売上不振で困っている企業が長期的な成長を目指すためには、企業独自のカテゴリーキラーを生み出すことが必須になります。
また、カテゴリーキラーを1つ作り出すことができた場合は、さらにどんどんカテゴリーキラーを生み出せるのです。
カテゴリーキラーづくりは、一度だけでなく継続して作り続けることが大切です。
こうしてカテゴリーキラー商品・サービスを主軸としたブランディング戦略に取り組むことが、企業の長期的な成長に繋がります。
中小企業には広告宣伝は不向き!
営業不振で困った時ほど、安易に「広告を出そう」と思いがちではないでしょうか?
しかし、当然のことながら、広告宣伝には莫大な費用がかかります。
「売り方」の勝負は、広告宣伝など資金力があるほうが有利ですので、中小企業には向かない戦略です。
さらに最近では、大企業であっても大量の広告宣伝費を持っている企業は少ないでしょう。
現代は、費用対効果を徹底的に追求していく時代。
そのためにも、自社のブランディング戦略に取り組むことによって、年月が経つごとに成長し強くなっていく、という発想が必要です。
ブランディング戦略企業の長期的発展を目指す
ブランディング戦略で大切なことは何よりも、商品・サービス・事業そのものを強くしていくことです。
これは中小企業だけでなく、商品の企画担当者、営業の責任者、営業企画担当者など、営業や販促、マーケティングに携わっている人全てに通じる方法です。
「売り方」をどうしていけばよいか? という目先の話に飛びつかないで下さい。
それよりも、カテゴリーキラーを生み出すことで、売る商品・サービス・事業そのものを強くし、自社のブランディングを進めていくことが継続的、かつ、長期的な成長には重要なのです。