経営者思考

競合相手に勝つためのブランディング戦略に必要な、強いビジョンとは?

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中小企業の経営者にとって、市場で強い競合相手が出現すると、とても気になることでしょう。

しかし、相手が大企業であれば、真っ向勝負しても意味はありません。
かといって中小企業が大企業や強い競合相手に勝てないわけでもありません。

やり方次第では中小企業も大企業や強い競合相手に勝つことができます。
同じように、どれだけ強い競合相手が出てきても、自社が生き残る方法があることをご存じですか?

その方法と、中小企業経営者がやるべきことをご紹介します。

ブランディング 競合 ビジョン

まずはポジショニングを見直そう!

自社のカテゴリーキラーがある市場に、強い競合相手が登場してきたら、まず何をすべきでしょうか?

それはブランディング戦略に基づき、自社商品のポジショニングを見直すことです。
素早くポジショニングを変えられないでいると、強い競合相手や大企業との価格競争に巻き込まれ、そのまま市場を奪われるリスクが高まります。

そのため、市場に強い競合相手が現れたら、相手の動きを察知しつつ、ポジショニングを見直し、戦略を再考しましょう。

競争相手がなくなるのはマイナス!?

では、市場に参入してきた相手に対して、どんな戦略を講じればよいのでしょうか。

大切なのは、「競合相手と一緒に市場を大きくする」という意識を持っておくこと。
競合相手は、一緒に市場を活性化させていく仲間でもあるのです。

どの企業も、競合相手などいないほうがよい、と思っているかもしれません。
しかし競争によって市場が活性化することで、お客様の購買意欲が高まったり、メディアの注目を集めたりといったメリットがあります。

ブランディング 競合 活性化

強い競合相手は、それだけ同じジャンルの商品を宣伝し、営業活動によって売り場を増やしてくれる存在です。
その結果、市場が活性化すると、自分の会社の商品も売れる可能性が高まります。

反対に、競合相手がいなくなってしまったら、どうなってしまうでしょう?
年を追うごとに新規顧客が減っていき、カテゴリーそのものの注目度も低下して、市場自体が地盤沈下してしまうかもしれません。

カテゴリーキラーを持つ企業にとって最も怖いのは、そうして市場がなくなってしまうことです。

低価格路線の行く末は・・・

とある企業の話をしましょう。

その企業は、低価格戦略でさまざまな市場を獲得し、成長し続けていました。
まさに独占状態です。
ところが、市場を独占するがあまり、競合相手がいなくなってしまいました。

結果、その商品ジャンル自体が世間の注目を集めることもなくなり、自社商品も市場から消えていってしまいました・・・。

その企業にとって戦略といえば低価格戦略しかなく、自ら新たな市場を開拓するという発想はありませんでした。
低価格戦略によって、すでに存在している市場のシェアを獲得していくのみ。
しかし、そんな戦略のみでは、獲得した市場が活性化することなく、売上は下がっていくばかりという状態に陥ってしまうのです。

「低価格」は競争相手があってこそ

そもそも、「低価格路線」とは、競合あってこその戦略です。
お客様にとっては、他の会社と比較して低価格だからこそ、「同じような商品が安く手に入る」ことがメリットになります。

競合 ブランディング 価格競争

しかし低価格路線をひた走り、業界のシェアを獲得し、競合が撤退すると「安い」という点が強みにならなくなります。
「安い」のは「他と比べて」安いのであって、競合がいなくなれば安いことが強みにはならなくなってしまうのです。

高いものがないと安いものもないのですから、比較できる競合がないと、「安いほうを買おう」と考える消費者のニーズに応えることはできなくなります。
低価格競争を推し進めるには、このようなデメリットもあることを知っておいてください。

ブランディングを成功させる強いビジョン

生活家電メーカーの中には、何年にもわたってヒット商品(=カテゴリーキラー)を生み出し続けている企業もあります。

そのうちの1つ、H社は某家電団体から高い評価を受けており、最初にカテゴリーキラーを作ったのは何年も前であるにも関わらず、生活家電部門の大賞を受賞しました。

そんなH社に発展をもたらしたのは、何よりも経営者の魂――強いビジョンでした。

「当社の技術でお客様に喜んでいただきたい」

H社は、決して大きな会社ではありませんでした。
しかし最初にカテゴリーキラーを世に送り出して以降、コンスタントに姉妹品を開発・リリースしたり、地道なプロモーションを行ってきました。

そのH社の経営者に始めてお会いしたとき、このように言われました。

「当社の技術を活かして、より多くのお客様に喜んでいただきたい」

これは、本当に強いビジョンです。
さらにH社は、自分たちの強みがどこにあるのか、ポジショニングを徹底して追及したことで、成功を引き寄せることができたのです。

ロングセラー商品はどうすれば生まれるのか

H社はこれまで多くのカテゴリーキラーを生み出しています。
さらに、ヒット商品が生まれても「当社の技術を活かして、より多くのお客様に喜んでいただきたい」という強いビジョンを持ち続けました。

強いビジョンのもと、市場の動向と真摯に向き合いながら、カテゴリーキラーからカテゴリーブランドをつくるという、ブランディング戦略に取り組んだのです。

ブランディング 市場 動向

どんな中小企業でも、このように強いビジョンを持ち、10年・20年・30年と、コツコツと地道なブランディング戦略を行うことができると、必ずロングセラー商品が生まれることでしょう。
それこそが企業の売上をアップさせる方法だと考えます。

まとめ

強い競合企業が現れると、企業経営者は「これは大変だ」と思ってしまうかもしれません。
しかし、決して強い相手と正面から向き合う必要はありません。

同じ市場にいる競合相手は、その市場を一緒に活性化させる仲間です。

その仲間が持っていない強みを生み出し、市場で常に自社のポジショニングを築き続けていくためには、経営者の強いビジョンが必要なのです。

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