ビジネスを成功させる上では、「売る商品・サービスそのものを強くすること」を常に意識しておかなくてはいけません。
つまりブランディング戦略にもとづき、競合他社を圧倒するような、自社独自の「カテゴリーキラー」となる商品を生み出すこと、もしくは、既存商品・サービスをさらに強いものにすることが大前提になります。
さらに、カテゴリーキラーを生み出したら、次はカテゴリーキラーをカテゴリーブランドへ成長させていくように動くことは、ブランディング戦略においてとても重要です。
大企業でも中小企業でも、カテゴリーキラーのカテゴリーブランド化は、大きな売上をもたらすだけでなく、企業を大きく成長・発展させます。
そのために必要な「カテゴリーブランド戦略フレームワーク」についてご説明します。
目次
単発商品を売れる商品群に変えていく戦略
どの企業も、一度カテゴリーキラーを生み出しただけでは、企業自体の成長・発展には繋がりません。
カテゴリーキラーとなる商品やサービスが、いかにそのカテゴリーに燦然と輝く「カテゴリーブランド」へと成長していくか、そのブランディング戦略が企業の命運を決めるといえます。
企業にカテゴリーキラー商品が1つしかないとどうなる?
- カテゴリーキラーのみの単品での売上に頼っていると、その売上がなくなれば会社は一気に傾く
- カテゴリーキラー商品の売上は、いつまでも続くわけではない
- 顧客ニーズは変わるし、市場環境も変化するので、同じ商品やサービスが永続的に売れることはない
- 売れた商品は、必ず他者に真似される
- 競合他社が出現するので、あっという間に足元をすくわれてしまう
売上が安定し、企業が成長するためには?
- 複数のカテゴリーキラー でいくつかの柱を作り、群としての「カテゴリーブランド」を形成していく
- そのカテゴリーにおける、代表的なブランドとしてのポジションを築いていく
生み出した商品が単発ヒットで終わるのか、カテゴリーブランド化できるのかは、以上のような重要なポイントがあります。
「カテゴリーブランド」を作っていくための2つの軸
カテゴリーキラー商品を、カテゴリーブランドに成長させるためには、2つの軸があります。
この2つの軸が、経営者が絶対に知っておくべき「カテゴリーブランド戦略フレームワーク」です。
1つ目の軸
「単発での開発」で終わるか、「同一カテゴリーで3つ以上の開発」を行っているか。
様々なカテゴリーに手を出し、それぞれ単発での開発を乱発しているのであれば、それは決してブランドとはならない。
2つ目の軸
自社の「強みを活かした開発」を行っているか、「強みを活かしていない開発」を行っているか。
※自社の強みとは、他者からも評価されていることが重要になる。
自分が考えた強みは、1人よがりの強みである可能性が高い。
経営者が考えている強みは、本当にあなたの会社の強みなのか、他者が本当に評価している強みなのかを考えなければならない。
カテゴリーブランド戦略のためのフレームワークとは?
カテゴリーキラー商品をカテゴリーブランドにしていく「カテゴリーブランド戦略のためのフレームワーク」について、もっと詳しくご説明しましょう。
1つ目の軸は、「単発での開発」で終わるか「同一カテゴリーで3つ以上の開発」を行っているか。
2つ目の軸は、「強みを活かした開発」をしているか、「強みを活かしていない開発」を行っているかになります。
この2軸を用いて、縦軸と横軸を整理してみると、4つのゾーンができ上がります。
これを「カテゴリーブランド戦略フレームワーク」と名付けています。
Mゾーン:まぐれヒット(強みを活かしていない単発の開発)
自社の「強み」を活かすことをせずに、たまたままぐれでヒットになることがあるけれど、ヒットを再現することは難しい状態です。
Yゾーン:よろず屋(強みを活かしていない、同一カテゴリーで3つ以上の開発)
強みを活かすことをせずに、なんでも手を出す「よろずや的」に商品やサービスを提供しています。
たまにヒットは打つのですが、ブランド化されるまではありません。
いろいろなことに手を出しすぎてしまい、もはや企業自体が何屋かわからない状態になっています。
こうなると、会社が継続的な成長をすることが困難になってしまいます。
Cゾーン:カテゴリーキラー(強みを活かした単発の開発)
自社の「強み」を活かして開発をして、カテゴリーキラーを生み出していますが、1つのカテゴリーキラーの開発で終わってしまい、単発ヒットのままです。
そのため、売上も一次的なもので継続性はなく、会社の成長も時間とともに衰退していきます。
Bゾーン:カテゴリーブランド(強みを活かした同一カテゴリーで3つ以上の開発)
自社の「強み」を活かし、連続的な開発を行うことで、そのカテゴリーにおける強固なブランドを作り上げていくことができます。
ただ売るよりも、どう発展させていくか
私たちは、売れる商品・サービスをいかにして生み出すのかということについて、わかりやすいフレームワークをつくり具体的な指導を行っています。
過去、商品・サービスがカテゴリーキラーとなり、それなりに売れて売上貢献をしつつも、その後失速してしまう企業もありました。
なかには爆発ヒットのあとに失速してしまう企業もあり、とても残念な思いをしたこともあります。
もちろん一時的にでも売れるということは、それはそれで喜ばれます。
しかし商品のヒット後こそ事業としての発展シナリオをどう作るかが、企業の成長をかける勝負です。
「中小企業の事業発展構造」として、カテゴリーキラーをテコに、どう事業を発展させていくか。
すなわち、ブランディング戦略としての「カテゴリーブランド」を構築していけるかどうかがカギになります。
ただ商品が売れたらよいというのではなく、売れた事実をもとにどう発展させていくか、事業の発展シナリオをどうつくるかを考えていく必要があるのです。