経営視点

商品が売れない理由は? 「売り方」よりも大切なブランディング戦略

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業績が伸び悩んでいる時、多くの会社はどうしても目先の「売り方」に目を奪われてしまいます。

もちろん「売り方」で勝負するのも間違いではなく、一つの手段ではあります。
しかし「売り方」だけに頼っていると、ますます状況は厳しくなっていきます。

実は、経営に苦しむ95%の中小企業が“順番”を間違えて苦戦しています。

企業経営で優先すべきは、自社のブランディングであり、会社のブランドを作り上げていくための「カテゴリーキラー」を創出することです。

そこで売り方だけに頼らないビジネス対策としての「自社のブランディングとカテゴリーキラー戦略」についてご紹介します。

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「売り方」よりも大切なブランディングとカテゴリーキラー

20年ほど前、ダイレクトマーケティングが先行していたアメリカを手本にして、日本の大手企業もどんどんダイレクトマーケティングを取り入れ始めていました。

今では、ダイレクトマーケティングも「ダイレクトレスポンスマーケティング」などと言われ、中小企業にもじわじわと広がってきました。
ダイレクトレスポンスマーケティング関係の書籍も多数出版されており、個人で活動されている指導者も増えています。

これらのWEBマーケティング、広告宣伝、販売促進、PR等、中小企業の売上アップ支援をする会社や団体は、今では無数にあります。

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しかし、WEBマーケティング、広告宣伝、販売促進、PR、ダイレクトマーケティングなどは、どれも全て「売り方」の話です。
もちろんそのような「売り方」も大切なのですが、その前にもっと大切なことがあります。

それは「売る商品・サービスそのものを強くすること」。
つまり、自社のカテゴリーキラー商品を生み出し、自社のブランドを確立させることです。

ブランディングにおいて、カテゴリーキラーの必要性

ビジネスでは、「競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業」であるカテゴリーキラーを明確に設定しなければ、商品開発やサービスの独自化やブランディングにはつながりません。

ブランディングに成功し、成果を上げていく事業は、意図的かつ戦略的にカテゴリーキラーを常に生み出し、時代に合わせながらカテゴリーキラー戦略を実施し続けているのです。

商品が売れなくなった理由と向き合おう

多くの会社から

「これまで売れていたものが売れなくなってしまった」
「今まではお客さんがたくさん来ていたのに、急に同業者がまわりに増えて、ぱったりと客足が止まった」

という相談をよく受けます。

しかし、これらは当然の流れです。

ある商品が売れれば、必ず競合他社が出てきます。
この時、多くの会社はどうしても焦ってしまい、目先の「売り方」に目を奪われてしまうのです。
しかし、「売り方」だけに頼っていると状況が厳しくなり、限界が近づいてしまいます。

実際に、強敵になり得る競合他社の存在は、自社にとって大ピンチに思えてしまいます。
突然そのような事態に陥ると、経営者は例外なく「売り方」をあれこれ考えだし、目先の戦術にとらわれてしまいます。

すると、どんどん大切なお金や時間を消耗していき、事態は困窮していきます。
その間、企業としての軸である「カテゴリーキラーを生み出しながら成長する」という本線からずれてしまい、新たなるカテゴリーキラーを生み出す余裕もなくなってしまいます。

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新たなるカテゴリーキラーを創出できなくなることこそが最悪のパターンで、結果的に不本意ながらも、会社整理を考えなければならない状況にどんどん追い込まれていくのです。

経営者は、この最悪な事態を避けるためには、売れなくなった商品の目先の対策に翻弄されてはいけません。
そんな時こそ、「なぜその商品が売れなくなったのか」という本当の理由に向き合う必要があります。

その後、新たなるカテゴリーキラー商品を開発しなければ、企業の未来はいつまでも見えないままだからです。

「売り方」だけを改善しても限界がある

単純に考えてみると「これまで売れていたものが売れなくなってしまった」という原因は、買い手のニーズが変わったり、競合他社の参入でその商品・サービスそのものが弱くなったりしていることにあります。

小手先や後手の対処法として、「売り方」だけを一生懸命に改善しようとしても限界があるのは当たり前です。
そこで、売れなくなった本当の原因に、正面から向き合う必要があるのです。

経営者が、売れなくなった本当の原因に気が付かないことや、課題に向き合わずに逃げている状態は、企業として非常に残念な状態です。

中小企業の中でも、きちんとビジネス対策ができている会社は、常にこのような事態を予測して、経営難になる前から中長期スパンで対策をしています。
時代が変わりゆくことを前提に、企業も変化の流れに乗りながら、力強く生き延びていかねば生き残れないでしょう。

もしも今、あなたの会社の経営状態がまずい事態に陥っているのであれば「売り方」に翻弄されずに、一日も早く視点を変えて、自社のブランディングを推し進めるためのカテゴリーキラーづくりに着手しなければいけません。

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また、現時点で強い商品・サービスを提供できている会社は、さらに自社が提供できる価値を高めていけるような戦略を、徹底的に考えることが大切です。
そして、今よりもっと高いレベルで、自社の商品・サービスをさらにカテゴリーキラー化していくことで、ブランディングされた商品やブランディングされた企業によって、事業が大きく発展・成長していくでしょう。

「売り方」のマーケティング本に騙されるな!

出版されている「売り方」を教えるマーケティングコンサルタントの本には、「この売り方で売上が良くなった」等のうまい話がたくさん書いてあります。
うまい話は、どうしても魅力的に見えてしまい、没頭してしまいがちになります。

しかしどの本にも、たった数行だけですが「売る商品・サービスそのものが弱かったら駄目だ」ということが書かれています。

実は、これこそが真実なのです。
売る商品・サービスそのものが弱かったら、いくらコピーライティングや外面ばかりを修正しても、問題の根本解決には至りません。

商品 ブランディング 経営者

チラシや広告宣伝に頼る「売り方」に偏った施策は、一見さんを増やす等、短期スパンでの改善にはなる可能性があります。
しかし、その効果は長く続きません。

その理由としては、もしその「売り方」に効果があった場合、すぐに競合他社も同じように真似してくるでしょう。
するとまた競合他社との差別化ができなくなり、効果は目減りしていきます。

特に「売り方」というのは、目に見えた表立った活動なので、他の会社が参考にしやすいというデメリットもあります。

真のカテゴリーキラーを生み出す意識を持て!

対処法としての「売り方」で一時的な競争優位に立てたとしても、会社は安定するわけではありません。

本当に業績を伸ばし、会社を安定させるためには、商品が売れなくなった理由に向き合い、新たな商品のブランドを作り上げたり、カテゴリーキラーを生み出す作業に取り掛からねばなりません。

業績が悪くなったからといって、「売り方」に翻弄されてしまうのではなく、しっかりと自社をブランディングできるような、お客様に喜ばれるカテゴリーキラーを生み出すことが、企業の成長には一番大切なことなのですから。

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