ビジネスにおいて大切なのは、商品をどのように売るかという「売り方」だけにとらわれず、「売る商品・サービスそのものを強くすること」に意識をおくことです。
会社が成長・発展するためには、ブランディング戦略を推し進め、競合他社を圧倒するような自社独自のカテゴリーキラーとなる商品やサービスを生み出すことが必須なのです。
そこで、企業がカテゴリーキラーを生み出す3つのメリットについてご紹介します。
目次
カテゴリーキラーを生み出すメリットとは?
カテゴリーキラーのメリット①高い付加価値を認識してもらえる
企業が自社の商品やサービスをカテゴリーキラー化し、ブランディングしていくことは、どんな業種・業界にも当てはまるメリットがあります。
カテゴリーキラーについては、こちらの記事もご参照ください。
『ブランディングで企業経営を成功に導く! カテゴリーキラーの重要性』
1つ目のメリットとしては、「高い付加価値を認識してもらえる」ことが挙げられます。
もしも現時点で、今まで売れていたものが売れないようになってしまったと悩んでいるのならば、手っ取り早い集客や販促に手を出さず、真剣にお客様と向き合いながら、何としてでもカテゴリーキラーを生み出すようにしましょう。
集客や販促は、カテゴリーキラーを生み出した後でよいのです。
カテゴリーキラーを生み出してから集客や販促に投資すると、カテゴリーキラーがない時とは比べものにならないほどの成果が出ます。
もしくは、現時点が会社を立ち上げたばかりで、やりたいことがたくさんある状況ならば、まずはひとつのカテゴリーキラーを生み出すことに集中してください。
いろいろやりたいこともあるでしょうが、最初にカテゴリーキラーを生み出した後に、少しずつ分野を広げていくこともできます。
カテゴリーキラーづくりは、まずはしっかりとお客様に向き合うことから始めます。
それは、「どうすればお客様にもっと喜んでもらえるか」ということを真剣に考えるということです。
カテゴリーキラーのメリット②価格競争に巻き込まれない
自社の商品・サービスをカテゴリーキラー化する2つ目のメリットは、「価格競争に巻き込まれない」ことです。
カテゴリーキラーを生み出して注目されると、お客様のほうから「ぜひ売ってほしい」と言われるようになります。
すると当然、“売り手優位”の商売ができるようになるのです。
現時点であなたの会社の商品やサービスが価格競争に巻き込まれていたら、その市場は過熱しています。
これ以上無理な戦いをしても、長続きはしないでしょう。
そんな時こそ、経営スタンスを変えるチャンスだと思い、競争優位に立てる戦略を検討しながら、自社のカテゴリーキラーを生み出すことに専念してみてください。
本来は価格競争に巻き込まれる前に、カテゴリーキラーをしっかりと持ち、十分な品揃えを持ちながら市場を育て、いくつかのカテゴリーキラー商品を群としたカテゴリーブランドとしてさらに強固な地位を築いていくことが理想的です。
大切なのは、カテゴリーキラーを生み出した後は、そのまま手を止めずにカテゴリーブランドにまで成長させることです。
そこまで行くと、価格競争に巻き込まれることは、まずないでしょう。
どの業界でもそのような強いブランドは存在するので、カテゴリーブランドを持った会社を目指してほしいですね。
カテゴリーキラーのメリット③長期的な売上に貢献できる
3つ目のメリットには、「長期的な売上に貢献できる」という点があります。
自社の強みがしっかりと反映される領域でカテゴリーキラーを生み出すことができると、会社には長期的な売上をもたらしてくれます。
カテゴリーキラー化した商品は、発売から5年経っても月間1万個以上売れるなど、会社の中核商品となって経営を支えてくれるのです。
カテゴリーキラー化された商品・サービスがどうして長期的な売上に貢献できるのかというと、それは容易に他社が真似できないポジショニングを作ったことと、それぞれの会社らしさを追求した唯一無二の商品としての魅力があるからです。
売れる商品を意図的に、かつ連続的に生み出してカテゴリーキラー化していき、ブランディング戦略としてのカテゴリーブランド化で躍進している会社が多いのです。
間違った見方を捨て、原理原則に従おう
メディア各社で取り上げられる会社を見ると「あの会社はPRがうまいなぁ」と思い、「うちもメディア各社でどんどん取り上げられるようになりたいなぁ」と羨ましく思うかもしれません。
確かにPR手法は奥が深く、仕掛け方次第で結果は大きく変わりますし、PR手法のプロフェッショナルも多いです。
もちろん自社のPRは上手くなったほうがよいですし、PRが上手な会社とお付き合いすることもメリットはありますが、マーケティングの本質的な部分は「本当に価値のある商品・サービスを生み出してそれをPRしていく」ということです。
私も仕事柄、PRのお仕事を専門にしている人ともお付き合いがありますが、彼らも「PRを通じて大きな売上を上げようと思うなら、原則としてカテゴリーキラーといえる商品やサービスがないと難しいだろう」と話します。
展示会へ参加することも同様で、カテゴリーキラーとなる商品がなければ、いくら展示会の準備をしても、バイヤーの心には届かないでしょう。
どの場合も優先順位としては、カテゴリーキラーといえる強い商品・サービスを生み出すことが最優先です。カテゴリーキラーという強い武器を持ってこそ、展示会などの販促活動が活かされます。
ビジネス戦略は、カテゴリーキラーを生み出すことに8割、あとの2割で、どうやって売っていくかの「売り方」を考えていくイメージを持っておくとよいでしょう。
カテゴリーキラーをカテゴリーブランド化していこう
まず1つのカテゴリーキラーを生み出すことができたら、勢いを緩めずに連続的に姉妹品などを充実させて、厚みを出していきましょう。
それぞれのラインで売上をつくり、時間をかけて自社独自の「市場」をつくっていきます。
そして最終的には、業界で誰もが知るカテゴリーキラーを群としたカテゴリーブランドとして自社の地位を確立していくことを目標にします。
どの会社にも当てはまることとして、会社の成長のためには、まずカテゴリーキラーを作ること、その後カテゴリーキラーをカテゴリーブランド化させて行くことが、会社を発展させるための原理原則なのです。