経営視点

ブランディングで成功する経営者に共通した「強い想い」とは?

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ビジネスでは「商品をどのように売るか」ということより、「売る商品・サービスそのものを強くすること」に意識を置くことが大切です。

つまり、自社のブランディング戦略を行い、その一つとしてカテゴリーキラーを生み出すということです。

「競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業」であるカテゴリーキラーを明確に設定しなければ、商品開発やサービスの独自化を図っても業績は伸びません。

成長して成果を上げていく事業は、意図的かつ戦略的にカテゴリーキラーを常に生み出し、時代に合わせながらブランディング戦略を続け、事業を成長させているのです。

そこで、ブランディング戦略としてのカテゴリーキラーを作っていく際に欠かせない「想い」についてご紹介します。

ブランディング 経営者 想い

廃業したクリニックを買い取ったEさんとの出会い

以前、「あるクリニックの立ち上げの企画を手伝ってほしい」という依頼を受けました。

依頼主は、クリニックを開業するというEさん。
Eさんは20代後半の女性で、とてもしっかりした女性でした。

話を聞くと、実はその新たに開業するクリニックは、廃業したクリニックを居抜きで買い取って立ち上げる計画でした。
もともとEさんは、その廃業したクリニックで副院長をしており、何名かのスタッフは引き続きEさんと一緒に新しいクリニックでやっていく、という流れになっていました。

そのクリニックは東京都内で駅から少し離れた住宅街の細い小道にポツンとあり、あまり立地条件が良くありませんでした。
クリニック専門の経営コンサルタントであれば、「このエリアはやめたほうがよい」と指導したことでしょう。

前院長は、患者さんの集客が上手くできなかったため、廃業を決めたということ。
実際に過去の患者さんの来院状況の記録を見せて頂いたら、1日に1人、または0人という日が続いていました。

ブランディング 経営者 経営難

経営難は、一般企業も医療業界も変わりません。
開院したけれども、患者さんが来ない日が続くという、厳しい経営の現実を目の当たりにしました。

前院長の下で働きながら、患者さんが来ない日が続くのを見ていたにもかかわらず、Eさんはとても前向きな方で、「自分が引き継いで病院をやる」と決意していました。

Eさんの強い想いを前に、「やめたほうがよい」などとても言える雰囲気ではありません
私もEさんの前向きな姿に押されて、「なんとかEさんのクリニック開業を成功させたい」という想いでお手伝いをすることになりました。

もちろんEさんは「以前と同じようにやっても、上手くいくとは思っていません。
戦略をしっかりと組み立てたいので、それを一緒に考えてください」ということでした。

ブランディング戦略でクリニックが大繁盛

Eさんのクリニックが、そのエリアでカテゴリーキラーとなるように、Eさんと真剣なやりとりをしながら数ヶ月、一生懸命ブランディング戦略を考えました。

そして開業後1週間ほど経過したところでEさんに連絡をしてみたところ「患者さん、来ています!」と、とても明るく嬉しい言葉をもらったのです。

その1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後と様子を確認しに行きましたが、患者さんは順調に増えており、以前の廃業したクリニックからすると見違えるほど集客ができていました。

ブランディング 経営者 集客

Eさんからは「本当にありがとう。このクリニックは一生無料で使ってください」との嬉しい言葉を頂きました。
この時のEさんの言葉は、一生忘れません。一生無料も嬉しいですが、それよりも、仕事でそこまで喜んでいただけたことが私にとって大きな幸せでした。

Eさんに出会う前は10年以上、大企業のマーケティングの仕事をしていましたが、Eさんのように喜んでもらえることはありませんでした。
Eさんには、私の仕事人生を見直す大きなきっかけをもらったのです。

躍進している企業に共通していること

Eさんのクリニック開業のお手伝いをした後も、たまたま親族や親友が飲食店を開業したり、中小企業の社長から戦略の相談を受けたりすることが続きました。
皆さん、素晴らしい「想い」を持って、事業に前向きに取り組んでいらっしゃる方ばかりでしたので、彼らを応援したいという一心で関わらせて頂きました。

事業を成功させようと、前向きで素晴らしい「想い」を持って取り組んでいる方たちは、提供する商品・サービスを通じて社会のお役に立てるように一生懸命に考え、日々頑張っています。

私は、素晴らしい「想い」を持った人たちに関わらせてもらううちに、私自身が皆さんから大きなエネルギーをもらっていることに気付きました。
これがEさんをはじめ、皆さんを応援したいと思う原動力になっていることに気づいたのです。

ブランディング 経営者 躍進

それから10年が経ち、300社以上の中小企業にカテゴリーキラー商品・サービスづくりを主軸にしたブランディングの指導をさせて頂く中で、躍進している企業全てに共通している、あることに気づきました。

躍進していく企業の経営者は、初めて相談にいらっしゃった時から、一貫して強い「想い」を持っているという共通点があったのです。

肝心なのは経営者側の「想い」の強さ

経営不振に陥ってしまった中小企業に対して、「売上不振の事業や商品を切り捨てなさい」というコンサルタントは多いでしょう。

その意見は確かに一理ありますし、売上に重きを置く戦略的発想ではそうなるのも仕方ないことです。
しかし、経営者や現場でご活躍の方々の「想い」があるのです。その強い想いを切り捨てる必要はありません。

どう対処すべきか等の「売上戦略」の前に、「どうなりたいか」という経営者や担当者の強い想いがあっての事業です。

ブランディング 経営者 カテゴリーキラー

もちろん時代の変化に合わせて、撤退の選択をすることもあると思います。
しかし、売上不振の中でも強い想いを持ち続けて、私どもと一緒にカテゴリーキラーを生み出して復活を遂げた商品やサービス、事業もたくさんあります。

全ては経営者側の「想い」にかかっており、この「想い」が強いと驚くほどの成果を出します。
強い「想い」があれば、必ずカテゴリーキラーを作ることができます。

企業成長を継続的なものにするブランディングを図るかなかで鍵となる、カテゴリーキラーづくりに重要なのは、こうした経営者側の「想い」を確立することではないでしょうか。

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