経営者思考

ブランディングのために経営者が持っておくべき「強いビジョン設定」

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どんなブランドになっていきたいか。
業界や市場の中で突出したブランドになるための戦略、つまり、ブランディング戦略を日々練っている企業は多いことでしょう。

そもそも「戦略」とは何でしょうか?
それは「戦いを略す」という文字通り、無駄な戦いを避けつつ、自社に有利な展開をもたらす道筋を考えること。

そして、さらには、カテゴリーブラントとして成功していくための戦略を描くこと。
これがまさにブランディング戦略です。

このブランディング戦略において最も大事なのは、「どのような戦略を実行していくべきか」ということよりも、自身や自社がどうなりたいのかという「強いビジョン設定」が求められます。

では、「強いビジョン設定」とは、どんなものなのでしょうか?

ブランディング 経営者 ビジョン

「強いビジョン」を設定するために

これまで多くの企業から相談を受けていて、特に多い質問が「どうすればよい?」という、大雑把なものです。

もちろん、それだけ企業経営が切羽詰まっていることは分かりますが、そんな時こそ「何をするべきか」を考えるよりも、まず「自分がどうなりたいのか」について考えてみてください。

自分がどうなりたいのか、という理想を思い描けていなければ、「どうすべきか」というプロセスも定めることはできないからです。

ブランディング 経営者 悩み

思ったようにいかない時や、何をすればよいのかさえ分からない経営者にとっては悩みといえば「どうすればよいのか」となるのは当然です。
しかし、「どうすればよいのか」という悩みは、「理想には到達していないからこその悩み」です。

頭の中で何となくイメージしている理想を叶えられていないからこそ、「どうにかならないのか」と悩むものですが、理想をしっかりと形にしてイメージすれば、何をすべきなのかは実はシンプルに導き出されるものです。

「どうすればよいか」より「どうなりたいのか」

「どうなりたいのか」というビジョンも、また人それぞれ。
経営者がそれぞれ思い描くビジョンはまさに十人十色。
しかし、ビジョンを明確にしている経営者ほど、いま自分が何をすべきなのかをしっかりと見定めています。

逆にビジョンを見据えていない経営者程「どうすればよいのか」で悩む傾向が強いです。
「どうすればよいのか」と悩んでいる経営者は、そんな時こそ「どうなりたいのか」を考えてください。

「どうなりたいのか」という“結果”を決めることができれば、結果に至るまでのプロセスは自然と出来上がるはずです。

ビジョンがなければアドバイスもできない

私たちのもとには、多くの経営者から相談が寄せられます。
その際、経営者自身がどのようなビジョンを持っているのかによって、アドバイスも変わります。

ブランディング ビジョン コンサルタント

ビジョンがない経営者へのアドバイスは、専門的なものではなく、どうしても「まずは目的を見定めること」から始めなければなりません。

そんなケースの実例をご紹介しましょう。

実例:理想のない経営者

家庭向けの商材の販売代理店を経営していた、とある経営者のお話です。

その経営者は長らくその仕事をこなしてきたものの、年々売上が低下していることを悩んでいました。
商品や業界のリサーチをしてみると、消費者のニーズの変化、競合の存在によって事業が難しくなっていました。
そこでわかった問題は、事業が難しくなっていること以上に、経営者に「理想がない」点でした。

こちらとすれば、どのような些細なことでもよいので、「こうしたい」「あれがしたい」というビジョンを聞きたいのですが、その経営者から何も聞くことができませでした。

「商品を通してお客様に喜んでもらいたい」
「業界そのものを盛り上げたい」
「とりあえず地元では一番になりたい」

といった理想がなく、いろいろ話を伺っても、これといった言葉が出てきません。

このような経営者の場合、どのようなアドバイスが適しているのかを判断することは難しいです。
走ろうとしている人の背中を押すことは簡単です。
しかし、止まっている人、あるいは後ろを向いている人の背中は押すのは難しいのです。

ブランディング 経営者 アドバイス

その経営者は、最後に「改めてどうなりたいのかを考えてきます」との結論を出されました。
もちろん、この結論も大きな一歩だと思います。
経営者は常に、自分の理想は何なのかを考え、ビジョン設定を行っていく必要があります。

「ビジョン=立派なもの」でなくていい

企業経営を成功させるには、経営者の強いビジョンが必要

そう言われますが、なかには「ビジョンと呼べるような、立派なものはない」と思ってしまう人もいるでしょう。

しかし、ビジョンはそんな立派なものである必要はなく、どのような些細なことでも構いません。
まずは会社をどうしたいのか、どうなりたいのかを考えることが大切です。

「1円でも良いから利益を増やしたい」
「とにかく世の中の役に立ちたい」

といったように、どんなビジョンでも構いません。
自分自身のなかに、「こうしたい」という気持ちがなければ、何に手を付けたとしても結局、上手くいかなければ途中で諦めてしまう可能性が高いからです。

経営がうまくいっている時こそ・・・

経営者が抱えている悩みは、会社の経営状態が悪化してくると、より大きな問題として表面化してきます。
明確なビジョンを持っていない中で、とりあえず“何となく”ではあるが利益が出ている、という状態だと、施策も“何となく”なものになってしまうでしょう。

そうしているうちに売上が下がり、なかなか思うようにいかない状態になると、「どうすれば売上がアップするのか?」という悩みが、経営者の中で膨らんでいきます。
さらに悩みを解決できないまま、あれこれ考え、中途半端な状態で何か新しい施策を打ったりするなど、冷静な判断ができず結果的に失敗してしまうケースもあります。

まず経営状態が悪くなってからあれこれ考えると、どうしても長期的なビジョンよりも短期的に「とにかく売上を」との考えから短絡的に手を出して失敗するパターンに陥ります。

ブランディング 経営者 失敗

もちろん経営者からすれば、売上が下がって悩みを抱えるのは当然ですが、そのような時こそ冷静に考えてください。

さらに、消費者のニーズや競合相手の変化は、いつ起こるかわかりません。
急に得意先との付き合いが終了するケースも考えられます。
経営が上手くいっている時こそ、今後の事業展開について、しっかり考慮しておきましょう。

まとめ

企業経営を成功させるために必要なこと、それは「ビジョン」です。

「どうすべきなのか」ではなく、まず「どうなりたいのか」。
言葉にすればとてもシンプルなものですが、「どうなりたいのか」を自分自身でもよくわかっていない経営者が多いようです。

対して、成功している経営者はビジョンをしっかりと持っています。
企業経営についてお悩みを抱えている人は、ぜひこのビジョン設定を意識してみてください。

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